知っておきたい日本酒の材料・作り方




酒の世界には流行り廃りがあるもの。
日本酒も少し前までは、おっさんが飲むオシャレじゃないものというイメージが強いお酒でしたが、ここ数年では蔵元や日本酒に関わる業界の努力もあり、世界的にも人気になり日本の中でも価値を再確認されてブームがおこっています。

お酒というものは、ただ飲むだけでもいいものですが深く知ることによって更に楽しめるものです。
今回は、日本酒について深く知るために、日本酒の基本的な事を調べてみました。

日本酒はどんなお酒?

日本酒は米・麹・水を原料とした醸造酒です。
酒税法によって特定名称酒と普通酒という2つに分類されています。

酒税法とは?
酒税の賦課徴収・酒類の製造及び販売業免許等を定めた日本の法律。
Wikipediaより抜粋

特定名称酒に分類されるためにはいくつかの条件があります。

  • 麹米の使用率が15%以上
  • 原料に使う米は農作物検査法によって3等以上に格付けされたものであること。もしくはそれに該当する米。

特定名称酒は、上の条件を満たした上で、さらに、原料や精米歩合や製造方法によって8種類に分類される。

特定名称酒の分類は

  • 純米大吟醸酒
  • 純米吟醸酒
  • 特別純米酒
  • 純米酒
  • 大吟醸酒
  • 吟醸酒
  • 特別本醸造酒
  • 本醸造酒

以上の8種類です。

特定名称酒 基本の3タイプ

特定名称酒は似たような名前が並ぶため、どうしてもよくわからなくなってしまいます。
わかりやすくするために、下記の3つのタイプに分けて考えると覚えやすくなるでしょう。

  • 純米酒系統
  • 本醸造酒系統
  • 吟醸酒系統

各系統の違いは、純米酒系統と本醸造酒系統の違いは、原料に醸造アルコールを添加しているかどうかです。
吟醸酒系統は他の系統とは製造方法が変わってきます。
詳しい説明を付け加えておきます。

醸造アルコールとは?

主にサトウキビを原料とした食用のアルコール分(エタノール)のこと。米から造られたものものある。
添加する目的としては、古くは防腐対策だったのですが、最近では品質管理が徹底されているので、防腐の意味合いは減ってきて、香りをたたせる効果や軽快な飲みくちを作るために添加されます。

純米酒系統

米、米麹のみを原料として造られた酒

純米酒系統に含まれるお酒は、

  • 純米大吟醸酒
  • 純米吟醸酒
  • 特別純米酒
  • 純米酒

上記の4種類です。

この4種類の中で、純米酒には原料米の精米歩合の決まりがないので、ラベルに精米歩合の表示が義務付けられています。

本醸造酒系

米、米麹、規定された量内の醸造アルコールを原料とする酒

本醸造酒系統に含まれているお酒は、

  • 大吟醸酒
  • 吟醸酒
  • 特別本醸造酒
  • 本醸造酒

上記の4種類です。

本醸造酒系統に添加される醸造アルコールの規定の量は、使用する白米重量の10%以下となっています。

吟醸酒系

上記の純米酒系統、本醸造酒系統よりも、精米歩合を高めた米で長期低温熟成をさせたお酒

吟醸酒系統に含まれるお酒は

  • 純米大吟醸酒
  • 純米吟醸酒
  • 大吟醸酒
  • 吟醸酒

”吟醸造り”と呼ばれる、精米歩合を高めた酒米を長期低温発酵させた製法で吟醸香を引き出したお酒が吟醸酒と呼ばれます。
ただし、”吟醸造り”には、明確な規定はなく、蔵元やメーカーによってちがってきます。

日本酒の原料は?

日本酒の原料、基本的には米・水・米麹です。(酒税法の定義)

日本酒の原料〜米〜

お酒を作るための原料となる米は、私たちが日常的に食べている米と種類が異なります。
日常的に食べる米は、美味しく食べるためにタンパク質や脂質が多い品種だが、酒造りの原料としては、タンパク質や脂質が多くなると雑味の原因となります。
酒造りの原料の米にも、タンパク質や脂質が入っているのですが、精米をする工程で削ってしまいます。(この工程を酒造りでは磨きと呼ぶ)
酒造りに適した米になるように品種改良を行った米が、酒造好適米とか酒米とかと呼ばれる米なのです。

食用の米と酒造好適米を比較してみると

  • 米粒が大きい
  • 心白が大きい
  • タンパク質が少ない
  • 吸水性が良い
  • 糖化性が良い
  • もろみに溶けやすい

という違いがあります。

心白とは?

米の中心部にある白い部分です。
デンプン質の部分に隙間が多く、白く見えるのですが、隙間が多いことによってお酒を造る時に麹菌が繁殖しやすくなります。
食用の米には心白はほとんどありません。

食用の米は、コシヒカリやササニシキなどがありますが、酒造好適米で代表的なものに「山田錦」や「五百万石」や「美山錦」などがあります。

日本酒の原料〜水〜

日本酒の約80%は水でできています。
実際に仕込みに使う水の他にも、米を洗ったり、米に水を吸わせたり、最終的にアルコール度数を調整するために原酒に加水したり、道具や瓶を洗うための水など、日本酒には水が必要不可欠なのです。

水は、日本酒の味にも影響を与えます。
カリウムやリン酸やマグネシウムなどのミネラル成分の含有量によって味の方向性が決まってくるといわれています。
ミネラル含有量が多い水は硬水と呼ばれ、この硬水で仕込んだお酒は、一般的にはしっかりとした味になります。
また、ミネラル成分の少ない水は軟水と呼ばれ、軟水で仕込まれたお酒は、柔らかい味わいになります。

多くの酒蔵では、井戸水を使っているところが多く、水の特徴をいかすことによって酒蔵ごとの特徴を出しています。
しかし、現代では、濾過や醸造の技術の進歩によって同じ水でも様々な味わいのお酒を作り出すことが可能になっています。

麹菌と酵母

日本酒を造る工程で、大きな働きをするのが麹菌と酵母です。
麹菌は、米に含まれているデンプンを糖分に変える働きをします。
麹菌によって作られた糖分は酵母によってアルコールへと変わります。

麹菌はカビの一種で、様々な場面で使われますが、日本酒に使われる麹菌は、一般的にはみそや醤油と同じ黄麹が使われます。
麹菌を蒸した米にふりかけ、増殖させることによって麹になります。

麹菌によって糖化したデンプンをアルコールへと変化させるのが酵母です。
酵母は発行する際に酸や香味成分を作り出し、最終的にできあがるお酒の味や香りに影響を与えるということが最近わかってきました。

麹と酵母の働きによって、蔵の個性(日本酒の味や香りなど)が決まってきます。

 

日本酒の作り方

①精米

日本酒の雑味になってしまう酒造好適米(酒米)の表面にあるタンパク質や脂肪分を削りデンプン質(心白)の割合を上げる工程。
削りとる割合によってできるお酒の種類が変わる。磨くとも言う。

②洗米・浸漬

精米した米を洗い、水分を吸わせる工程。

③蒸米・放冷

蒸米はデンプン質を糖化させやすくするために米を蒸す工程。
放冷は蒸しあがった米を広げて熱を冷ます工程。

④製麹

米のデンプンを糖に帰るために、蒸しあがった米に麹菌をふりかけ、40〜50時間かけて増殖させる工程。

⑤酒母作り

蒸し米に麹と水と酵母を混ぜて増殖させたものを作る工程。
次の仕込みに使うスターターを作る目的。
現在では、乳酸菌を混ぜて作る速醸酛を作る事が多いが、昔ながらの米と米麹をすりつぶしながら、自然の乳酸菌使って作る「生酛」「山廃酛」を作る蔵もある。

⑥もろみ造り

前工程で作った酒母を蒸し米、麹、水を加えてもろみを作る工程。
日本酒は糖化と発酵が同時に進む並行複醗酵という製法で作られる、世界でも珍しいお酒だが、発酵を確実に進めるために3回に分けて発酵を行う三段仕込みが江戸時代から一般的に行われている。

⑦上槽

もろみを搾り酒と酒粕に分ける工程。
濾す事によって、酒税法で規定されている清酒の条件を満たす。
どのように搾るかによって、スタイル違う酒を作る。

⑧澱引き・濾過

上槽した酒を静置させて澱を沈殿させ取り除く工程が澱引き。
さらに、濾過を行って酒の質を調整する。
濾過を行わない無濾過などもある。

⑨火入れ(1回目)・貯蔵

発酵を止めるために加熱する工程。
通常の酒の場合2回火入れするが、一度も火入れをしない生貯蔵酒、2回目の火入れをしない生詰がある。

⑩加水・火入れ(2回目)・瓶詰め

加水してアルコール度数を調整。加水しないものは原酒と呼ばれる。瓶詰め前に2回目の火入れを行う。